日本酒の賞味期限ついて解説【未開封なら5年でも大丈夫?】

日本酒の賞味期限ついて解説【未開封なら5年でも大丈夫?】

冠婚葬祭やお中元などでいただいた日本酒が、忘れ去られたまま長年キッチンや棚の奥で眠っているのを見つけた経験もあるでしょう。容器や包装に表示されている日付から5年も経っているような場合、未開封とはいえ賞味期限が気になり、飲んでも大丈夫かどうか悩まれる方も多いことでしょう。今回は、日本酒の賞味期限について、未開封・開栓による違いなども踏まえて解説します。

日本酒の賞味期限について

日本酒の容器や瓶に表示されている日付を、賞味期限と思われている方も多いかもしれませんが、実はこの日付は製造時期なのです。では、なぜ日本酒には賞味期限が表示されていないのか、その背景について解説します。

食品表示法における賞味期限の表示義務

加工食品に賞味期限または消費期限が表示されているのは、「食品表示法」によって義務付けられているからです。食品表示法とは、食品の安全性や機能性に関する表示について定めた法律で、食品衛生法・JAS法・健康増進法の3法の食品表示に関する規定を整理・統合して2015年に施行されました。この食品表示法において、加工食品には消費期限または賞味期限を容器または包装に見やすく表示することが定められています。

日本酒の賞味期限表示について

上述の食品表示法において、酒類については、消費期限または賞味期限は表示の省略ができる事項とされています。理由としては、酒類はアルコールの殺菌作用によって腐食が進みにくいため、長期保存が可能だからです。こうした背景から、日本酒には消費期限・賞味期限が表示されていないケースが多くなっています。

清酒の製法品質表示基準における日本酒の製造時期の表示義務

日本酒などの清酒には、国税庁が定めた「清酒の製法品質表示基準」という製法品質に関する表示内容の法的ルールが存在しています。この基準では、吟醸酒や純米酒などの特定名称を表示する場合の基準を定めると共に、清酒の容器などに表示すべき事項の基準が定められており、製造時期の表示も義務付けられています。なお、この場合の製造時期とは、清酒を容器に充填して密封された時期です。そのため、日本酒の容器に記載されている日付は、賞味期限ではなく製造時期であることを覚えておきましょう。

未開封の日本酒が飲める期限について

日本酒には製造時期が表示されていることがご理解いただけたとして、どれくらいの期間なら問題なく飲めるのかについては、はっきりしないと思われる方も多いことでしょう。たとえば5年経ったものでも、飲んでも大丈夫なのでしょうか?ここでは、日本酒の蔵元などが推奨している期限を基に、未開封の場合の期限について解説します。

未開封の日本酒が飲める期限

飲めるかどうかの判断基準には、美味しく飲める期限と、健康上の問題に影響しない期限の2つの考え方があります。基本的に未開封の日本酒であれば、古くなっても健康上の問題が起きるようなことはありません。しかし、長期間の保存により、温度や光の影響などから酒質が変化することが考えられます。主な変化としては、着色の度合いが高まったり、にごりや沈殿物が発生したりする場合があります。

日本酒の蔵元が推奨する、日本酒が美味しく飲める期限としては、一般的に製造年月より約1年以内としている場合が多いです。生貯蔵酒や生酒だと、もう少し期限が早まり、約9か月間が美味しく飲める目安とされています。なお、これらの期間は目安であり、保存状態によっても変化してきます。

開栓した場合について

開栓した日本酒の場合は、時間が経過するにつれ酸化が進みますので、早めに飲み切ることが推奨されています。2~3日程度であれば、味わいの変化はほとんど感じられませんが、1週間も経つとかなり味に変化が現れます。また、開栓した容器には雑菌が入る可能性もありますので、開栓後長期間経って異臭がする場合は、飲用を避けましょう。

日本酒の適切な保存方法について

日本酒が美味しく飲める期間は、保存状態によっても変化することを上述しました。紫外線や高温はお酒の大敵と言われていますので、なるべく光の当たらない涼しい場所に保存することが大切です。空気に触れると酸化が進みますので、蓋をあけたままの保存も避けるべきです。また、日本酒の種類によっても、保存に適した条件が異なりますので、主に以下の点に注意するようにしましょう。

  • 普通酒、本醸造酒、純米酒:光を避ければ常温でも保存可能。(高温は避ける)
  • 吟醸酒、純米吟醸酒:より涼しい場所が望ましく、冷蔵庫(野菜室)での保存がおすすめ。
  • 生酒:冷蔵庫での保存が必須。

まとめ

日本酒の容器や包装に表示されている日付は、賞味期限ではなく製造年月となります。未開封であれば、製造から3年や5年など長期間経過しても、健康上の問題が発生することはありません。しかし、一般的に日本酒が美味しく飲める期限としては、約1年間が目安となります。開栓した場合は、1週間以内など、極力早めに飲み切るようにしましょう。

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