ほとんどの日本酒は、ラベルに賞味期限が記載されていません。そのため、飲み頃の目安が分からず困っている方もいらっしゃるでしょう。また、開封後まだ飲めるのだろうかという疑問をお持ちの方もいるはずです。そこで今回は、未開封の日本酒に賞味期限はあるかについてご紹介します。冷蔵庫で日本酒を保存できる期間や、正しい保存方法も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
未開封の日本酒の賞味期限
開封前の日本酒の賞味期限についてご紹介します。
賞味期限の表示はない
ほとんどの食品や飲料には賞味期限または消費期限が記載されています。しかし、日本酒には賞味期限が記載されていません。アルコールの殺菌作用で腐食せず、長期間の保存が可能です。そのため、日本酒には、賞味期限の表示義務がありません。日本酒のラベルには賞味期限ではなく、製造年月が記載されています。日本酒だけでなく、ワインやウイスキー、焼酎も賞味期限の表示はありません。
日本酒の飲み頃
通常の日本酒は、製造年月から約1年間はおいしく飲めるでしょう。通常の日本酒とは、火入れという加熱処理した日本酒を指します。
生貯蔵酒の飲み頃
生貯蔵酒の場合は、約9ヶ月間がおいしく飲める期間です。通常の日本酒に比べて少し短くなっています。生貯蔵酒の火入れは、貯蔵前には行わず、出荷する前の一度だけです。
火入れを一度も行わない日本酒を生酒と呼びます。生酒の飲み頃は、生貯蔵酒と同じく製造から約9ヶ月です。この期間はあくまで目安なので、保存状態によって異なります。酒造メーカーや銘柄によっても期間が異なるため、購入の際に確認しましょう。生酒は5℃程度の温度環境で保管した場合でも劣化臭が発生します。そのため、冷蔵保管は必須ですが、理想は氷温保管です。
冷蔵庫での保存期間
どのような日本酒でも、開栓後は冷蔵庫で保存しましょう。開封すると酸化が進みます。栓を開けて空気に触れることで、変色したり酸味が増したりする可能性もあります。そのため開けたての風味を楽しむためにも冷蔵庫で保存し、3～5日以内に飲み切りましょう。酸化は悪いことばかりではありません。酸っぱくなったり、渋みが増したりする銘柄もありますが、まろやかさが増すものもあります。味の変化を楽しめる点も日本酒の面白さだといえるでしょう。冷蔵庫の中で保存し、熟した状態を楽しんでみてください。
ワインの場合は15℃で理想的な管理ができます。しかし、日本酒の理想管理温度は0℃以下です。管理温度と室温の差が大きいほど、高度な冷蔵技術が必要となり、保管が難しくなるでしょう。ワインと違い、日本酒は一升瓶サイズのボトルです。1800mlと大容量なので、瓶の最深部まで低温で冷やすのは難しいかもしれません。
日本酒の正しい保存方法
日本酒の正しい保存方法についてご紹介します。
紫外線や光を避ける
日本酒は紫外線が苦手なので、日光や照明を避けて暗い所で保存しましょう。箱がない場合は、新聞紙などで包みます。日本酒の瓶が茶色い理由は、光を通さないためです。最近では、光によって劣化するのを防ぐために、紫外線カット機能がある袋に入っている銘柄も登場しました。瓶の色が薄いものほど紫外線を通します。冷蔵庫で保存していても、開閉時に照明が当たります。そのため、できるだけ瓶に光を通さないよう工夫が必要です。
高温多湿を避けて冷暗所で保存する
日本酒にとって高温は対敵です。保存の際は、高温多湿を避け、20度以下で保存しましょう。保存する場所は直射日光の当たらない、冷暗所が最適です。吟醸酒や火入れをしていない生酒は繊細なお酒です。冷蔵庫でしっかり冷やして保存しましょう。
日本酒は立てて保存する
日本酒は空気に触れることで、酸化や、味の変化が起こります。保存の際は、空気と触れる面積を最小限にしましょう。横にするのではなく、立てて保存します。ワインのように横にして保存すると、栓の部分に日本酒が触れ続けます。そのため、劣化してしまう恐れが高まるでしょう。
日本酒セラーを利用する
本格的なコレクターなら、日本酒セラーを使う方法もあります。日本酒だけでなく、ワインも保管できるタイプや、安定した温度を保ちながら紫外線を防げるものもあります。立てて並べておけるタイプもおすすめです。適正な温度管理ができる方は、日本酒を熟成させて楽しみましょう。
まとめ
今回は、未開封の日本酒の賞味期限についてご紹介しました。日本酒には賞味期限がありません。しかし、できるだけ長くおいしく飲むためには、保存方法が重要です。おいしく保存できる期間を知っておくと、より日本酒を楽しめるでしょう。
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