先日、お客さんから東京土産に頂いた電気ブラン。
話には聞いたことがありましたが、実際飲んだことはありませんでした。
明治13年創業、浅草で生まれた日本初のバー「神谷バー」
約120年前にそのバーから生まれたブランデーベースのオリジナルカクテルです。
電気がまだめずらしい明治の頃、目新しいものというと“電気〇〇〇”と呼ばれて舶来のハイカラ品と人々の関心を集めていました。
当時、この酒はアルコール45度と強いお酒。それが電気のイメージが重なりこの名がピッタリだったとのこと。
ベースのブランデーにジン、ワインキュラソー、薬草などがブレンドされたお酒ですが、その分量は未だに秘伝になっているそうです。
大正時代には浅草六区で活動写真を見た後、興奮を胸に一杯十銭の電気ブランを飲み、庶民には最高の楽しみでした。
そして今も、仕事帰りの人々がグラス片手に1日の終わりをゆっくり楽しんでいるようです。
明治、大正、昭和、平成と移りゆく時代の中で親しみ続けられ、人々の心を癒したお酒、電気ブラン。
昔は今よりも、もっとゆったりとした時の流れの中で、このお酒を楽しんでいたのでしょう。
今晩は、そんなノスタルジックな思いに浸りながらの晩酌です。
琥珀色のブランデーとハーブの香り、ほんのりと甘く何とも言えぬウマイ味わい。
このお酒には、昨年から趣味で再開したレコードがよく似合う…
昭和のLP、中島みゆきの寒水魚を聴きながら、また一杯…