清酒に賞味期限の表示はない!その理由について詳しくご紹介

清酒に賞味期限の表示はない!その理由について詳しくご紹介

もらった清酒を忘れていて取り出してみて賞味期限を確かめると、清酒には賞味期限が見当たりません。かなり時間経過し古くなった清酒は、味が劣化するのか、飲んでも問題ないのか気になります。ほとんどの食べ物や飲み物には「賞味期限」があります。そのようなかで清酒には、賞味期限の記載がありません。今回は清酒と賞味期限ついて紹介します。

清酒とは

清酒は基本的には日本のお酒で、日本酒と呼ぶ場合もあります。清酒と日本酒はどこが違うのか、気になるところです。まず清酒について紹介しましょう。

清酒の定義

「清酒」とは海外で生産されたものも含めます。米・米こうじ及び水を主な原料として発酵させて、こしたお酒を指す言葉です。なお国税庁の酒税法における清酒の定義は、以下の通りです。

  • 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
  • 米、水及び清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(イ又はハに該当するものを除く。)。但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量をこえないものに限る。
  • 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの

清酒の製造過程において、米・米こうじ及び水を原料として発酵させたものが「もろみ」です。もろみをこして清酒と酒粕に分け、清酒が造られます。このもろみをこさないものが、白色の「どぶろく」です。どぶろくは、こさないので清酒ではありません。

また「その他政令で定める物品」とは、醸造アルコール・糖類・有機酸・アミノ酸塩などです。ただし使用量は合計が米(こうじ米を含む)の重量の、50%を超過しないよう制限が設けられています。このように清酒の定義は厳密といえるでしょう。

日本酒の定義

「日本酒」は、清酒のなかでも原料である米、米こうじに日本国内産米のみを使用しています。かつ日本国内で醸造したものです。従って海外産の米を原料として使用した清酒や、日本以外で製造された清酒が、日本国内に輸入された場合は日本酒と表示できません。近年日本酒が、アメリカ・カナダ・ブラジル・ベトナム・中国・韓国などで製造されています。これらのお酒は清酒になっても、日本国内では日本酒とは名乗れないのです。

実質的には清酒と日本酒はほぼ同じ

清酒は使用される米が日本米で、日本国内で生産された場合、そのお酒は清酒であり日本酒になるのです。日本の大部分のお酒は、このような流れで醸造されています。例外もありますが実際には、清酒と日本酒はほぼ同じと考えられるでしょう。さらに清酒は大別すると「特定名称酒」と「普通酒」の2種類です。「特定名称酒」はさらに細かく分類され、最終的に8つのタイプに分けられるのです。

清酒には賞味期限表示がない

ほとんどの食品や飲料には賞味期限、もしくは消費期限が記載されています。しかし清酒に賞味期限表示はありません。清酒に含まれるアルコールの殺菌作用により、腐食が進行することなく、長期間の保存が可能です。そのため賞味期限の表示義務がないのです。

ただし国税庁の「清酒の製法品質表示基準」をみてみましょう。これによると「清酒を販売する目的をもって容器に充塡し密封した時期を、製造時期であることを示す文字の後に表示するものとする。」とあります。清酒については賞味期限の代わりに、ラベルに「製造年月」を記載することが義務付けられているのです。

清酒の製造年月とは

清酒に記載されている「製造年月」は、その清酒が製造された年と月を表示したものです。清酒はしぼってから、ろ過→火入れ→貯蔵・熟成という過程を経たうえで、瓶詰めされます。このような流れで、清酒を容器に詰めた月が製造月になるのです。

清酒のおいしさが楽しめる期間の目安

清酒に賞味期限表示がないことを理解しても、未開封の清酒をおいしく飲める期間はいつまでなのか気になります。実際はいつまでもおいしく飲めるのですが、標準的に安定しておいしく飲める、おすすめの期間があります。なお清酒・日本酒には、製造方法によっておいしく飲める期間が異なってくるのです。それぞれのお酒について紹介します。

本醸造酒・普通

本醸造酒・普通酒については、約1年は冷暗所で保管していれば、おいしい状態が保てます。本醸造酒は精米歩合70%以下の米・米麹・水に、醸造アルコールを原料としている日本酒です。

吟醸酒

吟醸酒がおいしく飲める期間は8か月ほどが目安になります。吟醸酒は精米歩合60%以下の米を使い、大吟醸酒は50%以下の米を使用します。そして低温を保ちゆっくり発酵させる吟醸造りで、醸造されたお酒です。製造工程が繊細なだけに香りや成分、色合いなどが変質しやすく、賞味期限の目安も短くなる傾向にあります。

生酒・生貯蔵酒

生酒(きざけ)は「火入れ」と呼ばれる、加熱処理の工程がありません。また「生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)」は、出荷前に一度だけ火入れをしたお酒です。どちらも鮮度の維持が難しい日本酒です。生酒や生貯蔵酒は冷蔵庫で保存し、製造年月から6か月ほどはフレッシュでおいしい日本酒が楽しめます。

まとめ

近年世界が注目している清酒・日本酒は、繊細な製造過程を経て作られています。それだけに変質しやすい繊細なお酒といえるでしょう。賞味期限は定められていませんが製造年月をもとに、おいしく飲める「賞味期限の目安」はあります。ただしお酒の好みは個人差もあり、自分にとって一番おいしく飲める飲み方が大切です。

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