「アミノ酸度」とは?アミノ酸度の平均値や日本酒の味の違いを徹底解説!

「アミノ酸度」とは?アミノ酸度の平均値や日本酒の味の違いを徹底解説!

日本酒の「アミノ酸度」はご存知でしょうか。日本酒の数値といえば「アルコール度数」が有名ではあるものの、全く別物です。空前の日本酒ブームで日本酒に詳しい人も増えてきましたが、このアミノ酸度を知れば日本酒に詳しくなること間違いなしです。また、自分好みの日本酒探しにも大いに役立つでしょう。そこで今回は、日本酒におけるアミノ酸度について、平均値やアミノ酸度の違いによる日本酒の味の違いなどを解説していきましょう。

「アミノ酸度」とは?

まずは、アミノ酸度の基礎知識から解説していきます。

「アミノ酸度」とは何?

アミノ酸度とは、日本酒に含まれているアミノ酸の量を示す数値です。日本酒には、グルタミン酸やチロシン、グリシンやロイシン、アルギニンなどのアミノ酸が含まれています。日本酒に含まれるアミノ酸は約20種にも上り、アミノ酸度はこれらの総量を数値化したものなのです。

アミノ酸度の調べ方は?

10mlの日本酒に、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液を使いPh8.2になるように中和させます。その後、中世ホルマリン溶液を足していき、アミノ酸を酸性化させます。再度0.1Nの水酸化ナトリウム溶液でPh8.2に中和滴定します。この時使った水酸化ナトリウム溶液の体積が、アミノ酸度になるのです。

ただし中性ホルマリンは劇薬です。近年、中世ホルマリン液を使わず、代わりにエタノールを使ってアミノ酸度を計測する方法も開発されています。

アミノ酸度の知り方

日本酒の瓶に貼られているラベルからは、その日本酒を知る情報が数多く得られることはご存知でしょうか。「原材料名」や「アルコール度数」、「原産国名」や「製造年月日」などが明記されているのは、見たことがあるのではないでしょうか。

同じ数値でも酒税法でラベルへの明記が義務付けられている「アルコール度数」とは異なり、アミノ酸度は表示が義務付けられてはいません。それでも近年では、公式ホームページでアミノ酸度を公開していることも増えています。アミノ酸度を知りたい時には、チェックしてみましょう。

アミノ酸度の平均値をチェック!

標準的な日本酒のアミノ酸度の平均は、どのくらいなのでしょうか。日本酒のアミノ酸度は、平均して1.0強から2.0弱となっています。さらに日本酒の種類ごとの平均値は、次の通りです。

  • 普通酒:アミノ酸度およそ1.3
  • 本醸造酒:およそ1.3
  • 吟醸酒:およそ1.4
  • 純米酒:およそ1.6

日本酒の種類ごとのアミノ酸度平均値を見ると、それほど数値に違いのないことに気づくでしょう。日本酒のアミノ酸度において、レンジ(最大値と最小値の幅)は広くないのです。アミノ酸度0.1の違いで、風味の違いに気づく人もいるといいます。

アミノ酸度は日本酒の何を表す数値なのか?

日本酒でも、アミノ酸度の数値には違いのあることが分かりました。それでは、アミノ酸の量によって、日本酒の味はどのような違いがあるのでしょうか。

アミノ酸とは、「旨味成分」です。アミノ酸度の高い日本酒ほど旨味が強く、アミノ酸度の低い日本酒ほど旨味が少ないとも言えますが、アミノ酸が多いほど美味しい日本酒だというわけではありません。アミノ酸度の高い日本酒は旨味が濃くてコクのある味わいなのに対し、アミノ酸度の低い日本酒はさっぱり・すっきりした味わいになるのです。そして、アミノ酸度が高すぎる日本酒は複雑な味わいになり、エグ味や雑味が多く飲みづらいと感じる人も多いでしょう。

日本酒を造る工程において、米のたんぱく質が分解される時にアミノ酸は発生します。つまり、米を多く使う日本酒ほどアミノ酸度も高くなるというわけなのです。米・米麹・水のみで作られる純米酒のアミノ酸度が高いのは、そのような理由からです。また、アミノ酸は米の表面から多く発生するため、精米した米を使って作られる大吟醸などはアミノ酸度が低くなるのです。

日本酒の味を決めるのは、アミノ酸度だけではない!

アミノ酸度の違いによって旨味やコクに違いはあるものの、日本酒の味を決定づけているのはアミノ酸度だけではありません。日本酒の味わいを決定づける数値は、アミノ酸度のほかに「日本酒度」と「酸度」があります。

「日本酒度」とは、日本酒の比重を表す数値です。日本酒は糖分が多いほど比重が重くなり、糖分が少ないほど比重が軽くなるのです。日本酒度はプラスとマイナスで表され、比重が重くなるほど糖分が多く(マイナス)、比重が軽くなるほど糖分が少ない(プラス)というわけです。そのため、甘口のお酒は日本酒度がマイナスであり、辛口のお酒は日本酒度がプラスで表されているでしょう。

「酸度」とは、日本酒に含まれるリンゴ酸や乳酸、コハク酸といった酸の量を表した数値です。酸度が高いとキリッとした酸味のある味わい、酸度が低いと甘口で丸みを帯びた味わいなのが一般的です。このように、日本酒の味はアミノ酸だけでなく、日本酒度や酸度の値によって大きく異なるのです。

まとめ

日本酒の旨味成分のアミノ酸含有量を表す値が、アミノ酸度です。ただしアミノ酸度が高ければ旨味が豊富で美味しいかというと、一概には言えません。また、日本酒の味を決める数値には「日本酒度」や「酸度」があり、これらが組み合わさってバラエティ豊かな味の日本酒が存在しているのです。自分好みの味の日本酒をみつける1つの目安に、アミノ酸度をチェックしてみるといいでしょう。

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