麒麟山酒蔵、訪問記。

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先日、麒麟山酒蔵の酒蔵見学に行ってきました。

同業の酒販店の仲間と一緒に私を含め4人での酒造り見学です。

先週は大雪が降り、この地域もかなり積もったようですがこの日は好天に恵まれた日となりました。

見学に行った麒麟山酒蔵は、昭和の戦後から昭和30年代にかけ甘口趣向の酒が持てはやされた頃でも頑なに「酒とは辛いもの」と淡麗辛口造りを貫き続けた蔵元です。

また、近年は「地酒」という意味合いにこだわり仕込み水に限らず原料米も地元産100%での醸造を目指し、現在では定番商品「麒麟山伝辛」の掛米に使用する「こしいぶき」以外はすべて地元阿賀町産の米で作られ、その使用率は全製品に使用される米の85%にまでなったとのことです。

 

さて、お伺いしたこの月の仕込みは大吟醸等の高級酒の仕込み時期でもあり、酒造りに神経を使いピリピリしている頃なのですが、伺った日は前日に限定大吟醸KAGAYAKIの上槽が終わったところで、丁度ひと段落した日でした。

まずは、仕込み蔵にある酒造りの神様「松尾様」が祭られている神棚にお参りをしてから、杜氏の長谷川さんと営業の冨沢さんに蔵の中を案内して頂きました。

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酒造りは日曜日であることと造りが前日に一段落したこともあり、蒸米行程は行われていませんでしたが連続無蒸米機の構造の話を聞いてから麹造りをする製造麹室へ。

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横型連続式蒸米機

通常20分程度で仕上がりますが、

麒麟山は50分かけて仕上げます。

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製麹室を案内する長谷川杜氏

蔵の中は寒いですがここだけは暖かく別世界

温度と湿度管理が徹底しています。

 

こちらも午後からの出麹を待つのみでしたので作業はありませんでしたが、酒母部屋には仕込みを待つ麒麟山純米大吟醸「紅葉」の麹がありました。

そして「紅葉」と大吟醸「大辛」の酒母が仕込まれており、いい香りを放っていました。

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麒麟山紅葉の麹

精米歩合50%の粒が細かい麹です。

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同じく紅葉の酒母

 次は仕込室へ。

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ふつふつと湧く伝辛のモロミ

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大吟醸等の高級酒用

少量仕込みの仕込タンク

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翌日の搾りを待つ限定大吟醸

KAGAYAKIのモロミ

 レギュラー酒の伝辛の醪と隣の高級酒用の仕込室では限定大吟醸KAGAYAKIの翌日に搾りを待つ醪を見せてもらい最後に上槽の工程へ。

タイミングよく麒麟山伝辛が搾られており、しぼりたての酒をテイスティングさせて頂きました。

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搾りたての伝辛

発酵のガス感もありフレッシュ感がたまりません!

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行程がさかのぼりますが、洗米された

大吟醸ブルーボトルの酒米

大吟醸はすべて手作業で洗米されます。

冷たく大変キツイ作業とのことです。

そして蔵から移動し、昨年秋に竣工された貯蔵棟へ

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貯蔵棟の鳳凰蔵

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最新の熱殺菌火入れ装置

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熟成期間を経るための貯蔵タンク

  鳳凰蔵と命名されたこの貯蔵等では、レギュラー酒から長期熟成酒まですべての麒麟山のお酒が管理されます。

熱殺菌のための最新の火入れ装置を導入し、以前より低温で安定した火入れが可能になったため火入臭の少ないお酒に仕上げることができ、また貯蔵はすべてコンピューター管理による今まで以上に安定した熟成管理が行われるようになりました。

以上酒蔵見学を終えて感じたことは、麒麟山酒蔵が地酒蔵としての意味合いを考えてこだわりをもって酒造りに向き合い、人の手を加えるべきところは労力を惜しまずに醸造し、そして出来上がったお酒を最適な熟成期間をかけるために貯蔵し、また製品として出荷されるまでの品質安定を徹底する施設を整えた酒蔵とあらためて認識いたしました。

その後は温泉でまったりと体を温めた後、懇親会へ。

地元の郷土料理と麒麟山をたんまりと味わい、1日を終えました。

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二週間前に一次火入れを終えたばかりの

特別な大吟醸で乾杯!

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地元の郷土料理と楽しみました。

このキノコ汁がたまらなく旨かった…

 

 

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